6-2. 大腸菌のプラスミド
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1) ColE1
コリシンが他の細菌を殺してくれるため、プラスミドの保持は大腸菌にとって有利に働く
典型的な小型のリラックス型プラスミド(15~30個/細胞)、よく増幅するため、大腸菌で組換えDNAを増やす場合のベクターの材料として(特にoriとして)汎用される ただし、10 kb以上の大きなDNA断片が挿入されたものは増えにくい
1 kb=1,000 bp
memo: ColE1の増幅制御機構
https://gyazo.com/c1174ffe90a6fbe59e9cfbd4ea9856ea
2) R因子
概要
さまざまなものがあるが、大部分のR因子は大型のプラスミドで、細胞に1~数コピー存在する
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R因子は細菌同士の接合時に、他の細菌に移植することができる memo: プラスミドを安定に存続させるには
このため薬剤耐性遺伝子をもつプラスミドを細胞内に安定に保持させる場合は常に培地に薬剤を添加し、プラスミド保持細胞のみ増殖させるようにする 3) F因子
概要
https://gyazo.com/e9ae4bc54260df833ee2632271dbf4bc
ただF因子は不安定なので、一定の比率で抜け落ち、自然界で雌雄の比率は維持されている
Hfr菌も雄菌の性質を示し、接合するとF因子内のoriTを先頭に染色体が受容菌に移動する 約90分で移動するが、完全に移動することは通常まれ
染色体の交換は有性生殖の基本であり、細胞に有利に働くと考えられるが、これがこのプラスミドがF(稔性)因子とよばれる理由 Hrf菌中のF因子が切り出されるとき、染色体遺伝子の一部を取り込んだF因子ができることがあり、これをF'という Column 抗生物質とペニシリン
もともとは放線菌などの微生物がつくり、他の微生物の生育を阻害する物質を表す用語 最初に発見され、現在でも最も重要な抗生物質の一つ
フレミングは当時、抗菌性物質を色々と探しており、唾液中の抗菌成分が、卵白に多量に含まれるリゾチームであることの発見者でもある 1928年、フレミングはシャーレで増殖させていたブドウ球菌が、そこに偶然紛れ込んで生えたカビの回りでは増殖していないという現象を見つけ、「カビから増殖阻止物質が出ている」という着想を思いつき、その物質をペニシリンと命名した その後ペニシリン(ペニシリンG)は精製されて構造が決定され、第二次世界大戦中には多くの人命を救うことになった その後千倍以上の濃度でペニシリンを産生するカビが発見されるなどの技術革新があり、現在では構造の異なる種々のペニシリンが効率的につくられている